新たながん細胞を生み出し転移の原因でもある「がん幹細胞」を、狙い撃ちするがん治療薬が2017年に発売されるそうです。

新薬の名前は「ナパブカシン」、開発したのは大日本住友製薬です。

がん幹細胞は、がんにとっての「エイリアンの卵を生む母親」みたないな存在で、がん細胞を次々と生み出し、体のあちこちにばらまいてがんを転移させます。

しかも、がん幹細胞には、従来の抗がん剤や放射線治療などもほとんど効かないため、がん幹細胞が生きてるかぎりガンの根治は難しいとされてきました。

がん幹細胞の新薬
画像はイメージです

開発された「ナパブカシン」は、そのがん幹細胞を狙い撃ちする分子標的薬で、治験では患者の生存率を高める結果がでているそうです。

がん幹細胞を狙い撃ちする分子標的薬「ナパブカシン」

2016年9月現在の「ナパブカシン」治験の進み具合は、以下の通りです。

●ナパブカシンの治験フェイズ(2015年11月)
日本での開発
胃、食道胃接合部・・・phase3
悪性胸膜中皮腫・・・・phase1・phase2
固形がん(肝細胞がん、結腸直腸がん)・・・phase1

米国・カナダでの開発
結腸直腸がん・・・phase3
非小細胞肺がん・・・phase3
固形がん(卵巣がん、乳がん、メラノーマ)・・・・phase1・phase2
固形がん(消化器がん、肝細胞がん、膠芽腫、膵がん)・・・phase1

資料参考:大日本住友製薬 がん領域への展望
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/topic/

治験のフェイズ(phase)

治験のフェイズ(phase)とは、以下のような状態をいいます。

phase1

15~30人という少人数の被験者を対象に、新たな薬の候補(治験薬)の人への安全性や体内動態を調べる。

phase2

40~100人を対象に安全性や有効性、最適な用法・用量を確認、探索する。

phase3

200~3000人の患者を対象に、既存薬やプラセボと比較し有効性と安全性が検証されれば厚労省へ承認申請を行う最終段階。

「ナパブカシン」は、胃、食道胃接合部の治療においては、phase3の最終段階にあるようです。

その他の分子標的薬「Amcasertib」

大日本住友製薬では、「ナパブカシン」とは別のメカニズムで作用する「Amcasertib」という分子標的薬も、臨床段階にあるようです。

これらの薬は、既存の抗がん剤と併用して使うことにより、高い有効性と安全性が期待されているそうです。

ガン細胞を生み出す「がん細胞の母親」をやっつけられれば、がん根治の可能性も見えてきます。

2017年よりの発売、もうすぐです。その効果に期待したいと思います。

また、ガン家系の方は自分の遺伝子を調べてみると良いですね。