テレビのリモコンなどに使われている「近赤外線」を当てることで、がん細胞だけが瞬時に消滅する・・
そんな夢のようながん治療法が、米国ですすめられています。

その治療法とは、「近赤外光線免疫治療法」といいます。

近赤外光線免疫治療法って?

開発したのは、米国国立がん研究所(NCI)、米国国立衛生研究所(NIH)の主任研究員、小林久隆氏を中心とする研究グループです。

現在まで、がんの治療は、「手術」「放射線療法」「化学療法」の3つが主力でした。

最近は、いろいろな「免疫療法」が開発され注目されていますが、「近赤外光線免疫治療法」も免疫療法の一つです。

この治療法の最大の特徴は、がん細胞以外のものはまったく傷つけず、ほとんど副作用がないということです。

治療に使うのは、がん細胞にだけくっつく抗体と近赤外線で化学反応を起こすIR700という色素、そして近赤外線です。

IR700をセットした抗体を静脈注射で体内に送り込み、がん細胞とくっつけさせた後、体外から近赤外線を照射します。

そうすると、がん細胞とくっついた抗体が、近赤外線のパワーで化学反応をおこし、わずか1~2分でがん細胞が破壊されてしまうそうです。

近赤外光線で対応できるがんの種類

適応できるガンは、皮膚がん、食道がん、膀胱がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がんなどで、がんの8割~9割までカバーできると言われています。

また、やっかいなガンの転移にも対応できるそうです。

2015年の4月、米国FDA(アメリカ食品医薬品局)で臨床試験の許可がでて、再発を繰り返す頭頸部の扁平上皮がんの患者10人で「フェーズ1」を実施。

治療の安全性が確認され無事に終了。現在は、治療効果の確認を行う「フェーズ2」をスタートさせる準備をしているそうです。

「近赤外光線免疫治療法」は、設備や治療費も安くすみ、入院せずに外来で治療できるそうです。

米国国立がん研究所(NCI)は、2~3年後の実用化を目指しているそうです。

がん撲滅まであと一歩のところまで迫っている感じですね。

参考資料:
Cancer cell-selective in vivo near infrared photoimmunotherapy targeting specific membrane molecules.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22057348
mugendai
http://www.mugendai-web.jp/archives/6080